ラパス

1/1(火)


 ○オルーロ
 ○やっとラパス到着
 ○ラパス散策
 ○サガルナガ通り

オルーロ

 オルーロ到着は4時前だった。行きのバスはウユニまで14時間かかったが、今度のバスは
約8時間でオルーロに着いた。オルーロからラパスまでは3時間程で道も良いのでこのまま
スムーズに行けば行きの時よりも短い時間でラパスに着けるはずだった。
 乗り継ぎバスも意外にもすぐにあり、これなら7時過ぎにはラパスへ着けるかと期待したが、
そうは上手くはいかなかった。
 まず、乗り継ぎのバス会社ががめつく追加のお金を請求してきたのだ。それも、はじめは
ウユニからの通しのチケットはうちの会社は提携していないので正規の20ボリを出せなんて
ふざけたことを言って来る。一緒に乗っていたイスラエル人の旅行者達と猛抗議してやっと
追加で5ボリでいいということで収まった。
 ところが、このチケット売りが一人でも多くの人をバスに乗せようとしてバスが一杯に
なるまで発車させとようとしない。客達の猛抗議や「Vamos!」(行け!)の怒声にも関わらず
やっと出発したのはバスに乗り込んで45分後の5時30分だった。なお、バスはブラジルの
マルコポーロ社の最新バスでかなりきれいだった。


やっとラパス到着

ラパス
 スペイン語で平和を意味する名前のこの都市は人口約110万のボリビア最大
の都市であり、憲法上の首都こそスクレとなっているものの大統領府もここに
あり実際にはボリビアの事実上の中心都市である。標高は約3700mであり
世界最高所にある首都としても知られている。
 このラパスもクスコ同様盆地に発達した都市だが、さすがに首都だけあって
クスコよりはかなり都会ナイズされており街には高層ビルが立ち並んでいる。
 ラパスの場合は盆地というよりはすり鉢状の土地に発達した都市という形容が
ぴったりで、中心部に行くほど標高が低くなる。そのため、街は坂が多く歩く
のも慣れないと息切れしてしんどい。ちなみに空港は盆地を出たところにある
ため標高4000m以上である。
 この街の特徴は、盆地の中心部の標高の低いエリア程富裕層の人が住んで
おり、貧しい層ほど斜面上に住んでいることで、空気の薄さの差が貧富の差と
なっているらしい。そして、その盆地内に入れない貧困層が盆地のすぐ外に
多数住んでおり、今や人口40万の一つの町となっている。なお、中心部は
周辺部よりも確かに標高は低いが、盆地という条件のためどうしても排気ガス
などが溜まりやすいのも確かで、実際には街の中心部の方が周辺部よりも
空気は汚い。
 場所的にはチチカカ湖まで約100kmということもあり観光客の多い都市だが
それゆえか治安の良いといわれるボリビアの中では治安に問題があり、特に最近
首締め強盗が多発しているとの話をよく耳にする。治安面における実際に街を
歩いた上での印象は、街の中心部や大通りにはペルーの都市同様警察も結構
いて、人通りの少ないところへ行ったり夜迂闊に出歩いたりしなければそれほど
問題ないだろうという印象だった。

 乗り継ぎで不快な思いをしたが、さすがに眠かったのかバスが発車するとラパス付近に来る
までほとんど寝ていた。ラパスへ来ると、まずは盆地の外の集落の所でバスは何度か停まり、
その度に地元民が降りていき、結局盆地内のターミナル前に着いたときには残っているのは
旅行者だけという状態だった。この街は盆地の中に住めるのは金持ちで、盆地の外には貧しい
人達のスラムがあるという話は聞いていたが、現実にそれを見たような気がした。

 バスターミナル到着は朝8時半だった。元旦のためかターミナルの建物は閉まっており
その前の広場でバスを降りた。


 コパカパーナへ行くというJillとここで別れて自分はタクシーを捕まえてホテルに向か
った。タクシーは行きの半分以下の値段だった。確かに帰りは行きと違って一方通行でないし
遠回りする必要はないが、それにしても値段が倍以上も違うことはないだろう。行きは明らかに
ボラれていたんだろうが、体調も良くなかったし仕方ない。
 ホテルに着いてまずシャワーを浴びた後溜まっていた下着類を選択して昼まで部屋でしばらく
休んだ。体はほぼ回復し、下痢もなんとか収まった。


ラパス散策

 昼からはラパスの街を散策することにした。街は元旦の朝のためかかなり静かで閉まって
いるところが多かったが、さすがに昼からは店を開けているところも何軒かあった。

 まずはホテルからも近い、ライカコタの丘へ行くことにして坂道をてくてく歩いていった。
外出にあたっては首締め強盗に備えて貴重品は一切ホテルに置いて幾らかの金銭とガイド
ブックとカメラのみを持って出かけた。
 ライカコタの丘へ行くにはホテルの向かい側にある細い道を真っ直ぐ行って日本人会館の
所を右に曲がりその次の三叉路を左折した後は道沿いにずっと行くだけで、距離的には
2km程度だった。
 だが、ライカコタの丘は高台にあり、だからこそ眺めが良い訳で、そこまで行くには
当然ながら上り坂を進む必要があった。その上、ラパスという街の特徴か、途中の道は
アップダウンの連続で、高地に慣れてきたとはいえ丘に着いた時には少し息が切れかかって
いた。

 ホテルの前のサンタ・クルス通り ライカコタの道への上り坂

 丘のところは遊園地のような乗り物などの遊戯施設があり、今日が休日で天気も良いから
か多くの家族連れで賑わっていた。
 入口の所で6ボリ払って中に入り、奥にある展望台に向かった。展望台というのはここが
丁度断崖の突端のようになっているからで、この下は月の谷と呼ばれている侵食された谷に
なっていた。
 ラパスがすり鉢状の都市だと誰かが言っていたが、まさに言い得て妙で、よくもまあ
こんな平地が全くないような場所が都市として栄えたものだなあと思えた。

 ライカコタの丘からの街の眺め1 ライカコタの丘からの街の眺め2

 展望台からは盆地の谷のようなエリアや、周りの都会的な街並みが見渡せてなかなか
見晴らしが良かったが、やはり初めてラパスへ来た時に見たハイウェーからの景色が一番
のように思えた。

 丘から見た谷の部分 月の谷


 ライカコタの丘の次は街の中心部へ行こうと思っていたが、展望台から少し先にサッカー
スタジアムがあるのが見えたので、回り道をしてスタジアムの前を通って中心部へ向かう
ことにした。このサッカースタジアムは主要な国際試合が行われるボリビアのメイン
スタジアムで、つい1月前にWカップの南米予選でブラジル代表がボリビア代表に敗れた
ところだ。この敗戦でブラジルのWカップ出場はかなり厳しくなったが、結局ウルグアイ
を下して出場を決めたのだが。

  サッカースタジアム

 ボリビアは近隣諸国からの批判の声があるにもかかわらず国際試合のスタジアムをここ
ラパスからは動かそうとしない。もちろん、これは高地に住む自分達のアドバンテージを
考えてのことであり、勝ち抜くためには当然の手段だろうと思う。おかげで他国の代表
選手は相手への対策だけでなく高山病の対策もしなければならないので、ボリビアがあまり
強国ではないとはいえ決して甘く見ることはできないのだ。
 スタジアムの前にも小さな博物館があったが、ここも元旦ということで休みだった。


 次にスタジアムの前から街の中心のサンタ・クルス通りへ向かう道をてくてく歩いていき、
15分ほどするとサン・フランシスコ寺院の前に着いた。途中の道は元旦ということで
それほど人通りは多くはなかったが、人が少ないからといって決して危ないという感じはなく、
歩いているうちに坂道にも慣れてきて結構楽しかった。

 街を走る乗合バス 街の風景の一つ(変わったレンガ)

 私は街を自由に歩きまわるのが好きなのでラパスの街も歩いてみたいと思っていたのだが、
ラパスは最近は首締め強盗のメッカになっているという話を聞いていたし体調の問題もあった
のでこれまでのんびりと歩き回れずにいた。もし体調が万全でウユニでのミスもなく順調に
来ていたら取りたてて観光目玉のないラパスの街はほとんど見ることなく通り過ぎていた
ことだろう。それらトラブルがあったおかげでこうしてラパスの街をゆっくり見ることが
できたわけだからこれも結果オーライなのだろう。

  サン・フランシスコ教会前

 サン・フランシスコ寺院の前には露店が沢山でており人で結構賑わっていた。寺院は普段は
見学できるのだが、今日は元旦ということで閉まっていた。但し、元旦ということで今晩
ここでミサがあるそうなので可能ならば覗いてみることにして寺院を後にした。

 サン・フランシスコ寺院の次はバスターミナルの方へ行ってみることにした。というのは、
バスターミナルの写真はこれまで1枚も撮っておらず、写真を撮っておきたかったからだ。
 バスターミナルまでの道は今朝タクシーに乗ったときに見ていたのでここから坂道を10分
程行ったところだとわかっており迷うことはなかった。

 ターミナルの建物は閉まったままだったが、近郊へ行くバスは運行しているようで、
オルーロ行きやコチャンパ行きのバスが停まっておりチケット売りが客引きをしていた。
 そういえばJillは無事コパカバーナへ行けたのだろうか。
 ふと見ると、今朝乗ってきたFedex社のバスが停まっていた。いろいろ不快な思いは
させられたが、やっぱりこのバスが他に停まっている幾つかのバスよりも奇麗で立派だった。
 ターミナル周辺も平日の夕方や朝はあまり治安が良くないらしいが、今日が休日で
ターミナルを利用する人自体が少ないためか特に危なそうな感じはしなかった。

 バスターミナル オルーロから乗ってきたバス


 ターミナルの次は大統領官邸の方を通って一旦ホテルに戻ることにした。ターミナルから
大統領官邸までの行き方は、4日前にウユニへ行くためにホテルからバスターミナルまで
タクシーを利用した際に通っていたので大体わかっていた。途中の道はあまり人通りがある
とは言えなかったが、特に危ないという感じはしなかった。
 大統領官邸周辺も人で賑わっていた。丁度大統領官邸の前にムリリョ広場という市民の
憩いの場があり、広場を囲むようにして国会議事堂、カテドラル、大統領官邸が立ち並んで
いた。さすがにこの辺りの警備はかなり厳重でライフルを持った警官を何人か見かけた。
 この辺りはラパスでも治安の良い所らしいが、これだけ警官がいたらそれも尤もだろう。

 ムリリョ広場前の衛兵 大統領府

 国会議事堂脇の細い道を通ってサンタ・クルス通りに出て一旦ホテルに戻った。街を
歩いていて気がついたのは、見かけた警官の数がクスコ並に多かったとことだった。
 さすがに首締め強盗のメッカなんて悪評が立つのをボリビア政府も気にして警官を増や
したのだろうか。なんでもボリビア警察の話では、この首締め強盗君達は実はペルー人で、
ペルーでの締め付けが厳しくなったのでラパスまで出張してきているとのことらしい。
 確かに元々ボリビアは南米の国の中では治安は良いということだし、方やペルーは
かつては世界有数の治安の悪い国だったのだからそれも本当なのかもしれない。


サガルナガ通り

 一旦ホテルに戻ったのは、土産物などを買いに行くため金を取りに戻ったからだった。
先にも書いたが、ラパスの治安の悪化の話を聞いていたので街歩きの時には必要最小限の
お金しか持って出なかったのだ。
 再びホテルを出て向かった先は先のサン・フランシスコ寺院の横のサガルナガ通りだった。
ここには郷土色豊かな民芸品などを売る店が立ち並んでいると聞いており、また、この
近くのLinares通りには呪術に使うという怪しげなグッズが売っているとのことだった。
 その中で特に見てみたかったのはリャマの胎児のミイラだった。さすがに買うつもりは
なかったが、リャマミイラは一説には幸福を呼ぶ(魔除けになる)といわれているらしい。

  Linares通りの怪しげな店

 サガルナガ通りはかなり急な上り坂だったので歩くのは結構しんどかった。確かに細い
通りの両脇には土産物屋が並んでおり、土産物を物色している観光客を結構見かけた。

 自分はここでTシャツとサンポーニャ(クスコで買ったペルーの民族楽器)を入れる
色鮮やかな手編みの袋を買い、リャマミイラの置いてある呪術グッズの店でガラクタを
買ってサン・フランシスコ寺院の方へ急いで戻った。
 というのはこの辺りは夜になって店が閉まりだすと人通りが極端に少なくなって少し
危ない感じがしたからだった。(ここへ来たのが夕方近くだったこともあり、何軒も店を
冷やかしていたらあっという間に夜になってしまった。)


 近くのファーストフード店らしき所で夕食をとっていると8時近くになったので、ミサを
見るためにサン・フランシスコ寺院へ行った。New Yearということもあってか寺院には
大勢の地元の人が来ており、皆厳かに司祭の言葉に耳を傾けていた。司祭の話が終わると
一般人有志らしき人達の賛美歌の合唱があった。カトリックの新年のミサを見たのは初めて
だったが、厳粛な雰囲気の中にも温かさが感じられてなかなか良かった。

 8時頃まで寺院の中にいて、それからホテルへ行く途中にある例のインターネット屋に
寄った。今回は日本語Windows搭載の機種を使わしてもらえたこともあり、快適にネット
での情報収集とメール送信などを行うことができた。
 メールチェックおよび知り合いへの掲示板書き込みを終えてYahoo!を見ていたら、
リマでかなり大規模な火事があったとのニュースが出ていた。明日行く所とは関係は
なさそうだが、秋のアレキバ大地震といい今回の火事といい、昨年はペルーにとっては
災難の年だったようだ。

 夕方のサンタ・クルス通り ホテルの部屋から見たラパスの夜景

 10時過ぎにホテルに戻って明日の朝早くに空港へ行きたいことを伝え、明朝のタクシー
の手配とモーニングコールを頼んだ。すると、フロントの女性気を利かせて特別にレストラン
で朝食がとれるように手配をしてくれた。(出発時間がレストランの開店時間前だったため。)
 明日は朝4時半起床と早いこともあって、手早くチェックアウトの準備だけ済ませて
12時前には寝た。

 ちなみに、昼間に洗濯した下着類が軒並み乾いていたことや、お茶を飲もうと携帯湯沸し
器で湯を沸かしたら1分くらいで沸いたことなどは、さすがに空気の乾燥した高地にいる
のだということを改めて実感できた。
 明日はいきなり標高0mのリマへ行く予定だが、向こうに着いたら体が軽く感じるの
だろうか。


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