ウユニ塩湖

12/29(土)

 


 ○ウユニに到着
 ○ツアー開始
 ○イスラ・デ・ベス(魚島)
 ○ウユニ塩湖の夜

ウユニに到着

 朝方になって小さな集落に近づくたびにここがウユニの街かと思ったが違っていた。それらの
街を次々通り過ぎていき、やっとウユニの街に着いたのは朝7時半を過ぎた頃だった。


 街に着いてバスから荷物を降ろしてSさんと話していると、すぐにエージェントらしき人が
近づいてきた。とりあえず話を聞こうということになり彼のオフィスへ行って話を聞いてみると、
ツアーは 日帰りのもの、ウユニ塩湖の北端で1泊する1泊2日のもの、チリに抜けるサーキット
ツアーと呼ばれる2泊3日のもの、チリ側の国境まで行ってウユニに戻ってくる3泊4日のもの
があり、どれも扱っているとのことだった。
 Sさんの方のサーキットツアーはすぐに催行が決まったが、自分の参加したいと思っていた
1泊2日のツアーの方は少し待ってくれと言われた。ウユニのツアーではチリに抜けるサーキット
ツアーが人気が高くこれはすぐに他のエージェントとの調整がついたようだが、自分の方は参加者が
集まるまで待っているかのようだった。
 少しして、1泊2日のツアーの方も催行されることになり、ツアー料金を支払って契約が成立
した。ちなみにこの頃になると、腹の調子に若干不安のあるものの体力はほぼ完全に回復していた。
 

 この時点でまだ9時をまわったくらいで、ツアーの時間までは時間があったのでSさんと
ウユニの街を少し歩いた。Sさんは国境を越えるので、先に出国手続きを済ませておく必要が
あるかどうかをウユニの街にあるイミグレに聞きに行った。これについてはウユニで手続きして
おく必要があると書いてあるものや必要ないと書いてあるものもあったりしてはっきりしなかった
からだ。(ちなみにロンプラにはウユニで手続きしておく必要があると書かれていた。)
 Sさんがイミグレのオフィスで聞いたところ、ここではやる必要がないと言われていた。後日、
Sさんから貰ったメールにもこのことは特には書かれていなかったので問題なく国境越えできた
らしい。

 ツアーを申し込んだオフィスのある辺りがウユニの街の中心らしく、そこから少し行った
ところには結構大きな市場があった。街には地元の人も多かったが、さすがに観光地だけあって
外国人観光客も結構いたし、意外にも日本人4人組のグループもいた。TVで放映されたことで
日本人にも知られるようになったのだろうか。まあ、自分やSさんもここに来ているのだから他に
日本人がいても不思議ではないのだが。
 といっても、ウユニまで来るだけでもかなり大変だし、4000m近い高度といいかなり厳しい
気候なので、余程ボリビアの交通網が整備されてアクセスが良くならない限り団体ツアーが
ここまで来ることはまずないだろう。

 

ツアー開始

 店で簡単な食料と水を買い込んでエージェントのオフィスで待っていると、10時半頃に
なってまず自分の参加するツアーが出発するとのことで案内の人が呼びに来た。
 Sさんに別れの挨拶をして案内の人に付いていくと、鉄道駅の前にランクルが停まっており、
これに乗って塩湖まで向かった。参加者は私の他にノルウェー人の若い女性2人と、フランス人
の男性(Jill)一人の4人だった。ランクルには我々4人の観光客にドライバーとコックの
女性を含めた6人が乗り込んだが、後で見た観光客が5人乗っているランクルなどに比べれば
かなり余裕があった。

   
ウユニ塩湖について
 大きさは120×100km、総面積は12000平方mあり、塩湖の塩の量は20億tと
いう地上最大の水のない塩湖である。元々このあたりの土地は大昔は海の底で
あったため塩分を多く含んでおり、アンデス山脈が隆起したことにより標高
4000m近い高地となった。ちなみにアンデス山脈の隆起は元々太平洋側に
流れていたアマゾン川が大西洋側に流れるようになるなど、南米の自然に多大
な影響を及ぼしている。
 アンデスの隆起によって地上に現われた大地にかつてあった湖は、アンデス
の雪解け水と一緒に周囲から流れ込む塩分を含んだ土砂と、流れ出る川がない
という循環作用のなさ、そして高地の厳しい気象条件から水は大昔に干上がり、
残った塩分が固まった塩の結晶だけが地面に残った。
 現在そこにあるのはまさに白い大地である。塩の地面はなぜか6角形の形に
ブロック状になっており面白い。 
 これだけの景勝地ながら、そのアクセスは非常に不便なため短期の旅行でこ
こまで行くのはかなり困難。先にも書いたように近くに空港はないのでラパス
から14時間近くかけて夜行バスで来るかしかなく、そのバスも行程の2/3
が未舗装路で雨季には道路状況の悪化から所要時間が読めなくなる。ラパスか
ら3時間程度のオルーロからの列車もあるが、これは週2便でチケットが取り
づらいなど利用しにくいため、多くの観光客はバスを利用することになる。
 ちなみにラパスからの直行バスは週2便だが、オルーロ経由で毎日乗り継ぎ
便がある。短期旅行でここまで来るのは困難というのは、ここが標高3800m
近い高地であることが大きい。いきなり飛行機で入れば高山病の恐れがあるか
らだ。まあこんな条件なので団体ツアーがここまでやって来ることはまずない
ものと思われる。あるとすればチリ側からのアクセスが整備されたときだろう
が、高山病の問題を考えればそれも難しいと思う。なお、ボリビア側の交通
インフラの向上は、この国の貧しさを考えればすぐにはかなり難しいだろう。
この国にはペルーに負けないくらい観光資源があるのに残念なことだ。
 なお、ウユニまでのバスはラパス(オルーロ)以外にもスクレやポトシから
も出ている。ポトシからは昼便と夜便の2便あるらしい。地球の歩き方にはこ
のポトシ経由による行き方が一般的のように書かれているが、それは間違いで
上述のようにラパスから直通かオルーロ経由が一般的。料金はラパスからの直
通の場合60ボリ。帰りはオルーロ経由だったが、このときは45ボリだった。
 出発地によって値段が違うらしい。

 塩湖は雨季には塩湖の表面に水が溜まり、雨季のピークには1m近くになる
らしい。こうなってしまうとさすがのランクルでも通行は不能となるが、50
〜60cm程度なら突っ切って通れないこともないのでツアーが催行されること
もあるらしい。そのため観光のピークは塩湖に溜まった水が完全になくなる冬
(日本の夏)と言われており、観光客の多くはこの時期にやって来るようだが、
その代わりこの時期は物凄く寒いらしい。冬で、標高4000m近い高地という
ことで夜には−20℃近くになることはざらだそうだ。
 特にウユニからの夜行バスは酷いものらしく、このバスの寒さを訴えている
旅行記をいくつか読んだことがある。そういう意味では、まだ夏に入り始めの
この時期が一番のベストだと思う。この時期ならそんなに寒くないし、まだ
塩湖にもそれほど水が溜まっていないので、一面真っ白な塩の大地と、薄く水の
張った景色との両方を見ることができるからだ。

 このウユニ塩湖こそマチュピチュと並ぶ今回の私の旅のメインであり、この
一面真っ白な塩の大地と、薄く水の張った景色こそ私が憧れていたものだった。

 なお、ウユニの町の住人のほとんどがウユニ塩湖目当てでやって来る観光客に
関わる仕事をしているような感じで、町には塩湖ツアーを扱う会社は35もあり
競争過多気味なので、地球の歩き方に書いてあるようにラパスやポトシの代理店
で申込む必要は全くなく、ウユニに来てからツアー会社をまわって決めればよい。



 ツアーはますは塩湖の外にある、掘り出した塩を貯めておくところへ行った。ここには小さな
集落ができており食料などを売る雑貨があり、向こうの広場では地元の子供達がサッカーに興じて
いた。ここを出ていよいよ塩湖へと入っていった。入ってすぐは真っ白というよりは土混じりの
やや汚い地面だった。

 塩湖の外にある塩を貯めておく集落  掘り出された塩

 まず塩湖の中でも塩の割れ目から水が沸き出しているところへ行き、ドライバーが水の湧き
出しているところについて説明をはじめた。ここは今から2000年以上前に水が干上がって
塩の大地となったのだが、完全に水がないわけではなく(事実、雨季には塩湖の上に水が溜まる)、
塩の大地の下には地下水のように水の層があり、それか場所によってはこのように噴出してきて
いるらしい。

 ウユニ塩湖(入口付近)  湧き出ている水

 ここを出て次に行ったのが塩のホテルだった。ここは建物が塩で作られており実際に宿泊できる
ということで知られたホテルだ。残念ながら12月に入ってから休館中とのことで中を見ることは
できなかった。

 塩湖の移動手段・ランクル  塩のホテル

 塩のホテルのあたりまで来ると地面もだいぶきれいになってきて、真っ白な大地を見ることが
できた。幸いにも天気も快晴で、青い空と白い大地という私がここへ来るまで描いていたイメージ
そのものの世界が目の前に広がっていた。

 塩のホテル横にあるボリビア国旗  塩のホテル付近の地面(湖面)

 

イスラ・デ・ベス(魚島)

 塩のホテルの次に向かったのが、イスラ・デ・ペス(魚島)ベルデと呼ばれる島だった。
この島を遠くから見ると魚の形をしているところからこの名前が付いたらしい。

 魚島のサボテン  集合したランクル

 ここは白い大地の中にぽつんとある陸地で、島にはサボテンが林立しているという一種異様な
光景の島だった。どのツアーもここで昼食を取るらしく、ここには多くのランクルが並んでおり
観光客が集まっていた。昼食といっても、持ってきた食料でコックがサンドウィッチを作るだけ
のもので、各自の乗ってきたランクルの近くに集まっての立ち食いだった。
 ここで食事をとって他のランクルを見ていると、その中に見慣れた人物を見つけた。Sさんだ。
Sさんの参加したツアーは5人のツアーで中に協力隊でボリビアに来ているという日本人女性が
いた。Sさんのツアー参加者のほとんどはチリに抜ける人達だそうだが、この女性だけは協力隊員
のため安易に国境を越えられないので3泊してウユニまで戻ってくるとのことだった。

 魚島の碑  塩の平原をゆくランクル

 Sさんたちのツアーは今日中に塩湖を出て今夜泊まる集落まで行く必要があるので塩湖の端で
泊まる我々より早くに休憩を切り上げて去っていった。そのうちサーキットツアーのランクルが
次々と去っていったので、島のまわりはかなり寂しくなった。

 サボテンとエミューのような鳥  鳥

 島での休憩を終えて、いよいよ今日宿泊する予定の塩湖の北端に向かった。途中、薄く水の
溜まっているところを通った。今は雨季にはいったところなので塩湖の一部にはこのように薄く
水の溜まっているところもあるのだろう。
 これは自分にとっては願ったり叶ったりの展開だった。雨季の最盛期には溜まった水で塩湖を
走行不能になることもあるらしいが、今の季節は溜まっていると言ってもせいぜい10cm程度
なので走行には全く支障がないし、この薄く水の溜まった状態というのが塩湖の景色をより
素晴らしく見せる要素なのだ。薄く溜まった水の下は白い大地なので、水面には青い空と遠くまで
続く白い大地の景色が反射して何ともいえない景色を作り出すのだ。

 塩の大地  積み上げられた塩(水の溜まっている場所)

 これは、言葉で表現するよりも実際に写真を見てもらったようが理解してもらえるだろう。

 水の溜まっている場所  積み上げられた塩2(水の溜まっている場所)

 

ウユニ塩湖の夜


 集落入口の碑  集落

 集落付近の湖岸1  集落付近の湖岸2

 車が塩湖を突っ切って今夜泊まる予定の小さな集落に着いたのは陽が少し傾きかけた頃だった。
丁度この前の所には水が薄く溜まっており、上述の素晴らしい景色をゆっくり眺めることができた。

 湖岸1  湖岸2

 集落では2組の家族が生活しており、建物の一つを観光客用の部屋として貸していた。この
家族のなかの5歳くらいの女の子がなかなか人懐っこくて滞在中良く遊んだが、ボロい服を着た
彼女を見ていると少し痛ましい気持ちになった。
 水は貴重ということもあり勿論シャワーのようなものはなかったが、部屋にはベッドがあって
今の季節なら寝袋がなくても過ごせそうだった。(ちなみに、サーキットツアーで1日目に泊ま
った宿には有料のホットシャワーがあったらしい。)
 ここで夜まで適当に過ごして夕食は食堂らしきところでとった。ちなみにここに宿泊したのは
我々以外にはもう一組だけだった。

 ウユニ塩湖3  ウユニ塩湖4

 夕食まではこの建物のまわりをふらついていた。といってもほとんどを塩湖の湖畔で過ごした
のだが。先にも述べたが、薄く水の張った塩湖の景色はとても素晴らしく色々な角度から写真を
撮って過ごした。特に、夕暮れ時の景色の素晴らしさは今でも目に焼き付いているくらいだ。

 夕方のウユニ塩湖1  夕方のウユニ塩湖2

 ウユニ塩湖の夕暮れ1  ウユニ塩湖の夕暮れ12

 ウユニ塩湖の夕暮れ3  ウユニ塩湖の夕暮れ4

 夕食時は参加者の皆と話をして過ごした。2人の女性達は、私と同じようにペルー側から
やって来て、クリスマスはラパスで過ごしたそうだ。マチュピチュへはインカトレッキングで
行ったとのことだからたいしたものだ。(彼女達の名前は忘れた。)
 フランス人男性はJillと言い、パラグアイ在住のフランス語教師とのことで、さすがに
スペイン語はペラペラだった。彼は逆にサンタクルスの方からスクレ、ポトシを経てここまで
来たそうで、次はラパスへ向かうとのことだった。なお、彼がコカの葉を大量に持っていて
私に分けてくれたこともあって、彼と一緒の間はよくコカの葉を噛んでいた。
(コカの葉とはいうまでもなくコカインの原料のことだ。ボリビアではこのコカの葉が
 普通に流通しており、疲労回復や鎮静作用、高山病に効くといわれよく用いられている。
 葉っぱをそのまま噛んだりもするし、お湯に漬けてコカ茶として飲んだりもする。
  なお、このコカの葉は国外への持ち出しは厳しく禁止されており、空港や国境での
 荷物に対するチェックは実に厳しい。持ち出しが見つかれば当然重罪である。)


 9時になると自家発電の電気がストップし真っ暗となったが、残念ながら今日は満月で
期待したほどの星空は拝めなかった。

 なお、ウユニ塩湖を巡るツアーはチリへ抜けるサーキットツアーがメインだし人気も高いが、
1泊2日のこのツアーにもメリットはある。特に、今の季節のように陽の長い場合は、
サーキットツアーだと夕方より前に塩湖を出てしまうので、今回私が見たような夕暮れの
美しい塩湖の景色を見ることはできない。
 1泊2日のこのツアーなら夕暮れの景色は確実に見ることができる。但し、このツアーは
どちらかといえばマイナーなので、ハイシーズン以外では人が集まるかどうかはわからないが。


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